気が向いたならサウナから

好きなことを楽しく。興味のないものを根気よく。知らないものを好きになるように。

気が向いたところで無駄足

僕は日常において本を読む機会が多い。

 

 

僕は一応モノを書く仕事(小説家ではない)をしているが、文章の本質を

見抜きながらプロの目で読んでいるわけではない。

 

インプットのためといえば聞こえはいいが、それを仕事に還元するほどの

アウトプットが実践できているわけでもない。

 

そして月何十冊もの本を読む、根っからのフリークでもない。

つまりいうところの、「本を読んでいることに満足する」人間である。

さらに意訳すると、「本を読んでいる自分に酔いしれている」人間ともいえる。

 

 

 

以上で僕の読書への熱量が伝わったものとして、

そんな僕が好きだと感じる作家のひとりが、村上春樹さんだ。

 

 

 

初めて読んだ『ノルウェイの森』にはじまり、最新の『騎士団長殺し』まで、

同一の作者の作品でちゃんと読み続けているのは村上春樹さんくらいである。

 

 

その魅力は僕のような稚拙な文章では語り尽くせないので、

村上春樹 魅力」と検索していただければ幸いである。

 

 

 

しかし僕には、村上春樹さんの小説が好きな理由に、文章以外の要素がある。

それは、「イラスト」だ。

 

 

 

村上さんの素晴らしい作品の数々には、本の表紙や挿絵でさらなる魅力を演出する

素敵イラストが存在する。佐々木マキさん、和田誠さん、大橋歩さん、

そして敬愛する、安西水丸さん。

 

 

僕にとっての村上作品は、文章と同じぐらいそのデザインまでも堪能するものである。

 

 

そんなイラストに関して、いまだに悔やんでいることがある。

それは、安西水丸さんがお亡くなりになられた際に催された追悼展示イベントに

足を運べなかったことだ。

 

その年に発売された書籍を購入することでひとり喪に服したつもりでいたが、

この後悔は、きっと今後も消えることはないだろう。

 

 

 

そんななか、先日、偶然ある記事が僕の目を奪った。

 

 

 

 

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村上春樹と...イラスト...レーター展...? 安西...先生...?

 

 

 

そう、東京は上井草のちひろ美術館で「村上春樹イラストレーター」なる

イベントが開催されてるではないか。8月7日までならまだ全然間に合うではないか。

 

 

ということで本日、炎天下のなか西武新宿線を乗り継ぎ上井草まで向かったのである。

 

 

 

 

上井草までは一瞬だった。驚くほど一瞬だった。

この体感速度は、好きな人とふたりっきりでいるときに時間の経過が早く感じる、

まさに相対性理論そのもの。

 

 

 

初めて降り立った上井草駅は、都会の喧騒を離れたローカル感溢れる風情。

その風景がさらに期待感を煽ってくる。

 

 

「暑かったら無理せず退出してください?」

と話すロウリュの兄ちゃんのごとく煽ってくる。

 

 

すぐさま携帯で地図を開き「ちひろ美術館」と入力する。

すぐに所要時間がスマホに表示される

 

「徒歩21分」

 

 

21分?

話では徒歩7分のはずだが、なぜ3倍に?

 

 

 

ちょいと駅員さん、この辺は昨日今日で道路が無くされたのかい?

この短期間でそれはとてつもない技術力だよ。

この街の作業員は国宝レベルだよ。

日本万歳!!!

 

 

 

刹那、そんな脳内ストーリーが繰り広げられるなか、看板を見てある事実に気づく。

 

 

 

「上石神井

 

 

 

そう、ここは上井草ではなく上石神井

「上」しか合っていない全く別の駅。

そりゃ21分にもなりわけだったのだ。

 

 

 

しかしそんなことプチパニックですぐに片付けられる。

すぐに切り替え、街を歩きながら美術館まで向かおうではないか。

 

 

 

 

ああ暑い、アツい、あつい...

 

 

 

 

そう思いながらも21分なんてあっという間だ。

 もう昔のような後悔は残したくないのだ。

 

 

 

 

そしてついにちひろ美術館に到着。

入館料の¥800は財布から取り出し到着5分前から手に握っていた。

スムーズな足取りでチケットを購入し、いざ館内へ。

 

 

 

 

まず僕を迎えてくれたのは、素敵なイラストの数々。

しかしなんだろう?うーん...こんなイラスト村上作品にあったかな?

 

 

 

いやいや、いくら村上春樹さんが好きだからといって、

その全てを知っているわけではないだろう。

 

 

 

きっと古い作品の初盤にはこのようなイラストがあったのだ。

まだまだ僕はハルキストには程遠い。いかんいかん。

 

 

さて、一周し終わったところだし、別のフロアに行ってみるか。

 

 

 

 

ふむふむ。これも初めてみるイラストだな。

でもこれなんか、『海辺のカフカ』の海外版の挿絵にぴったりじゃないか。

どうやら日本版の小説のイラストだけではないようだ。

 

 

 

さて、また一周してしまった。

次のフロアは...

 

 

 

 

え?これで終わり?

 

 

 

なぜ?なにがあった?

 

 

 

もしや、来るべき美術館間違えた?

またもや上石神井駅現象?

 

 

 

 

そんな不安が頭をよぎるなか、携帯でこのイベントを再び調べてみる。

 

 

 

 

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2016...?

 

いまは?

 

2017...?

 

 

 

 

これ、去年やん。

 

 

 

終わり