気が向いたならサウナから

好きなことを楽しく。興味のないものを根気よく。知らないものを好きになるように。

気が向いたのでカラダづくりを

腰が痛い。

これは紛れもなく、長時間のデスクワークと姿勢の悪さからくるもので

定期的に僕のカラダに起きる現象なのだが、

腰の痛みというものは一度気づくとそこからが難儀だ。

 

 

いつのまにかできていた傷にふと気づくと

なんだかどんどん痛く感じるように、

腰の痛みは一度意識するともう止まらない。

 

 

しかし、この痛みをうれしく思うこともあるのだ。

 

 

「痛みがある」→「集中できない」→「モヤモヤ」→「え?もう朝...?」

ここまでの負の連鎖は起きないが、

痛みがある以上、いつかは治さなければならないのである。

 

 

ということはつまり、治療を受けなければならないのだ。

痛みが生じた瞬間「受けなければならない」という義務が発生するのだ。

 

 

あたかも止むを得ずという表現をしたが言い直そう。

 

 

 

そう、僕には「マッサージに行ってもいいよ!」という

公式の許可が下りたのだ。

 

 

 

僕はマッサージが好きだ。

指でも肘でも足でも、ゴリゴリ押されたときに感じる痛みが大好きだ。

 

(そういえば、目薬が目にしみたり、消毒液が痛かったり、あれってすごい効果が発揮されているように感じますよね)

 

「お客さん、凝ってますねえ〜!」なんていわれた日には、

うつ伏せた僕の顔はしてやったりの表情だ。

 

 

 

さて、それでは早速マッサージに行ってやるか。カラダくん、感謝してくれたまえよ。

そんな気持ちでパソコンを開き、浮かれ気分ですぐに検索する。

 

 

「マッサージ 気持ちいい 格安」

 

 

もはや治すことでなく、一時の快楽を得ることがメインになっている。

「格安」という言葉も含まれているあたりもせこい。

「お金持ちになる方法 楽勝」と検索するのとなんら変わらない堕落ぶりだ。

 

 

しかしそれでも検索画面にはおびただしい数の候補が出てきた。

この世には、僕と同じ考えの人がたくさんいるのだろう。大丈夫か日本。

 

 

 

その中から選んだのは、自宅から近くクーポンを使えば60分で3,500円のお店。

お店へ向かう道中はもうスキップしたいくらいの気分だ。

 

 

間もなくしてお店に到着。

 

 

「お待ちしておりました。先にお会計をお願いします。」

 

はいはいお金ね。もうばっちりお釣りなしで用意しておりますよ。

 

「それでは、この中から好きな香りをお選びください。」

 

ん?香り?

 

 

考える暇もなく、目の前には12個の瓶が並べられた。

 

 

べるがもっと?あぷりこっと? …くりけっと?はないけれど、

聞いたことがあるようなないようなものが並んでいる。

 

うーむ。困った。わからない。

そんな中ついに救世主が現る。

 

 

「グレープフルーツ」

 

 

食べても美味しいグレープフルーツ。

絞っても美味しいグレープフルーツ。

香っても嬉しいグレープフルーツ。

 

 

「じゃあ、今日はグレープフルーツで」

 

なんてあたかも通のような素振りで唯一知っている香りをチョイスした。

 

 

ところでマッサージになんで香り???

そう思いながら個室へ通される。

 

 

 

「それじゃあ、その紙パンツに履き替えてお待ちください〜」

 

 

ん?紙パンツ?

 

 

 

紙パンツ?

 

 

 

「あの〜、下着も脱いでこれを履くんでしょうか?」

なんて間抜けな質問をしてしまった時点で、

マッサージ通であり香りの番人を演じていた僕の嘘は見抜かれただろう。

 

 

 

それにしても、香りを選ばされるわ、パンイチ(それもエグめの角度)にされるわ、

そっち系のマッサージ店なのかと思ってしまうほどだ。

 

 

 

そしてついにマッサージが始まる。

 

 

「今日はどうしました?」

 

いやー、腰が痛くて痛くて・・・

 

「承知しました」

 

 

すりすりすりすりすりすりすりすり......

 

 

ん?そこは背中だが?

腰の痛みは背中からってか?なるほど。カラダはすべてつながっているというしね。

 

すりすりすりすりすりすりすりすり......

 

 

すりすりすりすりすりすりすりすり......

 

 

すりすりすりすりすりすりすりすり......

 

 

 

 

 

ねえ、腰は???

 

 

 

 

 

「それでは、あったかいタオル乗せていきますね」

 

 

 

 

 

ねえ、コシは???

 

 

 

 

 

「それでは仰向けになってくださ〜い。頭をほぐしますね〜」

 

 

 

 

 

ネエ、コシハ???

 

 

 

「ぴぴぴ!ぴぴぴ!」

 

「はい、以上になります〜。お疲れ様でした〜」

 

 

 

 

ああ、いつの間に寝て痛んだ僕は。

 

 

 

いろいろな疑問を感じながら店を後にした。

 

 

夢でも見ていたのか。

いや、予約をした際のメールも残っている。

 

 

 

 

「60分 ¥3,500 / アロマオイルでリラックス★」

 

 

 

 

 

アロマオイル…。

 

 

 

 

ああ、間違えた。

これ、リゾート地で受ける奴だ。

これ、ananとかにのるやつだ。

 

 

 

 

 

 

 

それにしても、

紙パンツ一枚になったときの自分のカラダは情けないものだった。

 

 

 

予約ミスをした自分はもちろん、それもショックだった。

 

 

 

夏は始まっている。

 

 

カラダづくりをはじめよう。

 

 

 

終わり。

 

 

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